花に秘められたお話し

春のお話し

春は植物にとって、綺麗に花を咲かせることができる季節だと思いませんか。程よい太陽の光や心地よい風などが植物を元気にしてくれています。ここでは春に咲く花にまつわる物語を紹介します。日本だけではなく、中国やヨーロッパなどに伝わる、花にまつわる物語です。

ヒアシンス

ヒアシンス
花言葉 : ひかえめの愛・悲しみを超えた愛・悲しみ

鉢植えや水栽培で親しまれているヒアシンス。ヒヤシンスとも呼ばれています。春先に、とても香りのよい花を咲かせます。別名、綿百合ともよばれ、ピンク、オレンジ、黄色、紅、青、紫、白といった、花の色の種類も数多くあります。ヒアシンスという花の名前は、ギリシャ神話の青年、ヒュアキントスに由来していると言われています。

ヒュアキントスが、仲のよかった医学神アポロンと円盤投げを楽しんでいたところ、西風の神ゼビュロスがその様子を見て嫉妬しました。ゼビュロスは意地悪をしようとして風を起こします。アポロンが投げた円盤が、ゼビュロスの起こした風によって軌道が変わってしまい、ヒュアキントスの額を直撃してしまいます。

医学神であるアポロンは必死に治療を試みますが、ヒュアキントスの流す血が多すぎて、懸命の治療の甲斐なく、ヒュアキントスは死んでしまいます。アポロンは悲しみ、自分を責めます。『私の悲しみを刻んだ花に生まれ変わり、記憶の中で生き続けるのだ』とアポロンが言うと、ヒュアキントスの流した血から、ヒアシンスが生まれました。

アポロンはヒアシンスに、ギリシャ語で『悲しい』という意味の『AiAi』という文字を刻みました。それ以後、春になるとヒアシンスの花が咲き、アポロンの記憶にヒュアキントスが蘇りました。

クロッカス

クロッカス
花言葉 : 不幸な恋

クロッカスは早春に花を咲かせます。地上すれすれに黄色や白、薄紫や紅紫、白、藤色などの花を咲かせます。花壇や鉢植え、水栽培などで親しまれています。

冬の晴れた日のこと。一面の銀世界で、伝令神ヘルメスは美しい婚約者クローカスと時がたつのを忘れて一緒の時間を過ごしていました。

風が出てきて日も暮れかけてきた頃、我に返って慌てて帰る仕度を始めました。クローカスを先にソリにのせ、あとから自分が乗り込もうとした瞬間、とても強い風が吹きつけ、ソリはクローカスだけを乗せて谷底めがけて滑り出してしまいました。ヘルメスは慌てて追いかけますがどんなに頑張っても追いつけず、最後にはソリを見失ってしまいました。

ヘルメスは雪の中を懸命に探しました。谷底にたどり着いたヘルメスが目にしたのは、真っ白な雪の中で、バラバラになったソリと、真っ赤な血で雪を染めていたクローカスの姿でした。クローカスが再び目を開けることはありませんでした。

愛する人を失ってしまったヘルメスは、クローカスが忘れられずに次の冬、クローカスが死んだ谷底を訪れてみました。クローカスの血が雪を染めた場所には、とても美しい花が咲き乱れていました。その花に、2人の愛の証として、『クロッカス』と言う名前をつけ、大切にしたのです。

パンジー

パンジー
花言葉 : 心の平和・物思い

パンジーは、スミレから分化したものと考えられています。花の色も黄金色やオレンジ、すみれ色、黒、紫など、様々な色を咲かせます。咲いた花は人の顔に似ていて、やがて深く物思いにふけっているように傾くことから、フランス語のパンセ(思想)にちなんでパンジーと名づけられたと言われています。

地上に降り立った愛の神エロスが野原を歩いていました。ふと、雑草の中にひっそりと咲くとても可憐な花を見つけました。美しい色をしたとても甘いにおいのする清々しい小さな花です。名も知らぬ花でしたが、エロスはこの花をとても気に入り、自分の面影を花に写すことにしました。

エロスはその花に、美しく、優しい心で気高く咲いて、世の中に希望を広めるようにと願いを込めてキスをしました。こうしてパンジーはエロスの面影を宿し、可憐に優しく咲いていると言われています。

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